1 逸失利益の請求は訂正請求ができるか?
賠償金請求は、最終的に「合意書」に基づいた金額が支払われることになります。ご案内の合意書(見本)には「なお、上記金
額の受領以降は、結果通知書記載の各金額及び本合意書記載の各金額について、一切の異議・追加の請求を申し立てるこ
とはありませんとの記載がありますが、正式の合意書では、この一文が削除されています。したがって、請求金額について
異議・追加請求は可能であり、逸失利益についても当然この対象に含まれることになります。説明会では「全部できる」と言う
場合と「逸失利益以外はできる」と言う場合があります。理屈から言えば当然すべての請求について異議・追加請求ができる
ことになります。しかし、逸失利益については、過去の確定した決算に基づき対象期間の中から自ら選択した期間の金額に基
づき計算をする訳ですから、これについての異議自体があり得ないことになります。固定費変動費の区分については東電から
の問合せの主項目ですから、その段階で合意したものを後日訂正することも困難だと思いますしたがって、事実上。逸失利益
について異議・追加請求をしたとしても、認められる可能性はほとんどないと考えます。費用関係については、後期間での請求
を認めると言っていますので、こちらは追加請求としても後期間請求としても結果は同じです。
私見としては、異議・追加が認められることはほぼ皆無であるという前提で、一回目(3/11~8/31)の請求を慎重に計算し、
その裏付け資料を付けて、正しい請求を行うことをお勧めします。
2 領収書は原本提出かコピー提出か?
領収書の提出が求められるのは、基本的に費用関係の請求に係る分と考えられます。
請求書の作成要領で証明書類のうち原本提出が求められているものは、個人事業者の住民票・法人の登記事項証明書
(全部事項証明書)のみで、その他のものはコピーでよいとされています。しかし、個別相談会では、費用関係の証明に
ついて、原本を提出するように依頼されるケースがあります。
後日問合せがあった場合に手元に領収書がないと対応に困りますので、コピーは必ず取ってください。提出はどちらで行う
かは、説明書通りであればコピーで良いことになります。
ただし、私見では、領収書の原本提出は2重請求の防止のための意味合いを持ちます。したがって、請求には原本を使い
経理の保存証拠としては、「東電賠償請求のため原本提出」と記入してコピーを保管する方法がベターだと思います。 |